英文契約書への会社としての取組み方について

英文契約書への会社としての取組み方について

26th Sep 2023

英文契約書への会社としての取組み方について

初めて外国企業と取引を始める際には、さまざまな準備が必要になります。取引先の企業がどこの企業であったとしても、言語は英語であることが大半です。英文契約の読み方については様々な弁護士が発信をしていますが、ここでは詳細に入る前に、会社としての取組み方についてお話します。

1. 社内体制の整備

社内体制の整備に関しては、日本企業と外国企業の違いを意識すると良いと思います。

外国企業との契約交渉では、特に初めての取引の場合には、詳細に取引内容をお互いに確認する傾向があります。そのため、その契約交渉の担当となるメンバーを選定します。英語力はあればベターではありますが、必須ではなく、むしろ国内企業との間でしっかりと交渉できることが大切です。英語力は、外部リソースで補完できます。

また、外国企業では決定権限のあるメンバーが交渉に深くコミットする傾向があります。他方で、日本企業の場合、交渉の担当者が持ち帰って決定権限のある方に確認を取ることが大半です。是非はさておき、この違いは交渉のスピード感を左右いたしますし、外国企業側から、交渉したのにいつまでも決められない企業だという印象をもたれてしまう恐れもありますので、可能であれば決定権限のある方が打合せに入られるのがベターです。

2. 外部リソースの選定

通訳以上のサポートが必要になることが大半であるため、国際弁護士の中から選ばれると思います。ブランドが必要な場合もあるかもしれませんし、その業界に詳しい弁護士にある程度任せたい場合もあるかもしれません。ニーズとコストを見極めながら選ばれると良いと思います。

3. PDCA

体制を組んだら、実際の交渉実務に入ってまいります。交渉の過程で担当するメンバーを追加したり、外部リソースを増やしたりするかもしれません。このような調整は特に交渉が比較的長期にわたる場合には必要になってまいります。

次回は、実際に英文契約に取り組む際にポイントとなる事項を、テクニカルなことよりも事務的にスムーズに進めるためのポイントを解説します。

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