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日本におけるクロスボーダー交渉:マナーと契約における対応

日本におけるクロスボーダー交渉:マナーと契約における対応

8th Dec 2025

日本におけるクロスボーダー交渉:マナーと契約における対応

服部真吾 – 服部法律事務所
Tel: +81 3 6447 5586


日本企業との国際取引を成功させるには、契約上の約束を明確にすることや文化的マナーへ配慮することの両方が不可欠です。当事者は事前に議題を準備し、形式を尊重すべきです。例えば、日本側は書面による会議の議題を事前に提供することや、両手を使って丁寧に名刺交換することを高く評価します。契約書は日本の形式要件を遵守する必要があります。多くの日本企業は、重要な契約には署名ではなく正式な社印(「印鑑」)で締結し、この押印には署名と同様に扱われます。法律実務家は、契約上の言語や裁判管轄の問題についても計画すべきでしょう。日本の仲裁法はUNCITRALのモデルに沿っており、合意された言語での仲裁と任意の仲裁人の選任が可能です。一方で、日本での訴訟は日本語での手続きが必須であり、証拠の翻訳が必要となります。日本企業は社内の様々な部署での合意形成を必要とする場合が多いため、交渉には時間がかかる場合があります。そのような場合への対応には、時間がかかることを十分に認識し、かつ意思決定プロセスを明確にすることが重要となります。グローバル企業は、その準備として初期段階で秘密保持契約や覚書を交わすと情報開示等がスムースになります。

口頭の合意に法的拘束力はありますか?

口頭による合意にも法的拘束力自体はありますが、その合意を立証するには書面が有効です。正式な契約書(多くの場合は押印が必要)が標準ですが、電子署名アプリも認められています。

日本企業との契約には日本法を適用すべきですか?

当事者は任意の準拠法を選択できますが、多くの日本企業は日本法を準拠法とし、かつ日本の裁判管轄を好みます。なお、日本での仲裁判断はニューヨーク条約に基づき他の条約加盟国において執行可能です。

会社の「印鑑」の役割は?

書類に押された正式な印鑑は署名と一般的に同等に扱われます。

紛争解決手段は?

日本は「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約」の締約国であり、外国の仲裁判断も日本で執行可能です。仲裁は広く利用されていますが、当事者は日本の裁判所で訴訟を提起することもできます。

弁護士 服部 真吾 第二東京弁護士会

服部法律事務所 +81 3 6447 5586

免責事項:本記事は本記事作成時点での一般的な情報を提供するものであり、法的助言を提供するものではありません。具体的なアドバイスには、取引文書や事実関係の確認が必要です。