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労働基準法の基本的な考え方について(製造業向け)

労働基準法の基本的な考え方について(製造業向け)

19th Jan 2026

労働基準法の基本的な考え方について(製造業向け)

服部真吾 – 服部法律事務所
Tel: +81 3 6447 5586

日本には労働に関する様々な法律がありますが、労働基準法はその基本となる法律です。日本の労働基準法は、日本国憲法第27条第2項「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」を根拠としています。労働基準法は、経済的観点から労働者を保護するため、労働条件の最低基準を定めています。 労働基準法第1条第1項は、その原則を「労働条件は、労働者が人間らしい生活を送るために満たすべき必要を満たす条件でなければならない」と規定しています。

労働基準法は労働者の平等な取扱いを規定しています。使用者は、賃金、労働時間その他の労働条件について、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として差別的取扱いをしてはなりません(労働基準法3条)。これは特に珍しい規定ではありませんが、特に外国人雇用主にとっては、その労働文化が多様化する傾向にあるため、この点に留意する必要があります。そしてもちろん、男女同一賃金の原則についても同様です(労働基準法4条)。

労働基準法は強制力のある法律です。これは、労働契約で異なる労働条件を定めていても、すべての使用者がこの法律に従わなければならないことを意味します。実務上、厚生労働省の労働基準監督署が雇用者を監督する権限を有します。厚生労働省は全国に321の労働基準監督署を設置しており、非常に活発に活動しています。

労働基準法には罰則が定められています。使用者が同法に違反した場合、罰則が科される可能性があります。

・労働基準法の内容

主に賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇といった労働条件を規定しており、外国人雇用主にとっても認識しておくべき事項です。

賃金に関しては、使用者は最低賃金法で定められた最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。最低賃金は都道府県によって異なり、毎年改定されます。参考までに、2025年10月3日現在の東京都の最低賃金は時間当たり1,226円です。これは7.83米ドル(1米ドル=156.58円換算)に相当します。

労働時間については、休憩時間を除き、週40時間を超えて労働させてはなりません(同法32条1項)。週40時間を超える労働を希望する場合、使用者は「36条協定」を締結し、割増賃金を支払う必要があります。基本事項は以下の通りです。

休憩時間については、同法で「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければならない」と規定されています(同法34条1項)。

同法は休日及び年次有給休暇の詳細な最低条件についても規定しています。

・監督機関

 労働基準監督署は労働基準法に基づき、使用者への監督権限を有します。労働基準監督署は多数存在し、東京だけでも19ヶ所あります。監督当局が介入した場合、使用者は罰則回避のため細心の注意を払う必要があります。

  グローバルな使用者としては、各国で労働規制が異なることにしっかりと対処しなければなりません。特に危機管理段階では、全ての規制を確認し、労働者からのクレームの可能性を検討し、それらを全ての規制に従って適切に対処する必要があります。


弁護士 服部 真吾 第二東京弁護士会

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